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丸ログと角ログで造るログハウスの違い(ロッキー山脈 vs. アパラチア山脈)【後編】

2024年09月26日 - 一般

丸太で作るログハウスと角ログで造るログハウスの特徴とその違いとは?

The Appalachian vs. the Rockies Mountain Log Cabins – Ep2

前編では、ヨーロッパから新大陸アメリカに移住した開拓者たちが、植民地争いの中で角ログハウス発展させて広がった過程を説明しましたが、丸太造りのログハウスが広く普及したのは、西部開拓時代のロッキー山脈周辺となります。

ロッキー山脈(Rocky Mountains)とは

北アメリカ大陸の西部を縦断する大規模な山脈です。カナダのブリティッシュコロンビア州とアルバータ州から、アメリカ合衆国のアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州、コロラド州、ユタ州、そしてニューメキシコ州まで、約4,800キロメートルにわたって広がっています。ロッキー山脈は、北アメリカで最も広範囲にわたる山岳地帯の一つであり、いくつかの州や州境にまたがっています。

西部開拓時代(American Frontier)

19世紀から20世紀初頭にかけて、アメリカ合衆国がルイジアナ購入(1803年)やメキシコ戦争(1846-1848年)などを通じて、ミシシッピ川以西の広大な領土を獲得し、未開の地を開拓していった時代を指します。この時代は、アメリカの歴史において非常に重要な期間であり、多くの移民や開拓者が金や土地、資源などを求めてフロンティアと呼ばれる西部地域に移住しました。

丸太のログハウスは、この西部開拓時代の中でロッキー山脈周辺に広く普及していきました。当時、アメリカ合衆国が西部に領土を拡大する中、多くの開拓者たちがロッキー山脈を越えて新たな生活の場を求めました。彼らは豊富な森林資源を利用して、丸太を積み上げる簡素で頑丈なログハウスを造り、過酷な自然環境に適応しながら生活を築いていきました。ロッキー山脈のログハウスは、肌寒い気候と厳しい冬に対応するために、分厚い丸太で建てられ、断熱性や耐久性を重視した構造が特徴です。

丸ログハウス(ロッキー山脈)と角ログハウス(アパラチア山脈)の違い

ログの種類

ロッキー山脈の丸ログハウスによく使わられるログ材は、松やモミ、トウヒなどの針葉樹が多く、これらは一般的に大きく、節や木目がはっきりとしています。

アパラチア山脈の角ログハウスに採用されるログ材は、オークやチェスナット、ヒッコリーなどの硬木がよく選ばれています。

設計・デザイン

ロッキー山脈の丸ログハウスは、壮大でワイルドな装飾的なデザインが多く、都市生活から逃避を求める人々の為の別荘などとして設計されています。重い雪を支えるために急勾配の屋根が使われ、軒先が大きく張り出していることが多いのが特徴です。

それに比べてアパラチア山脈の角ログハウスは、控えめで実用的な設計が特徴となっています。エイジングした見た目のログを使った素朴で落ち着いた外観が多く、周囲の自然と調和するようにデザインされています。建物の形は長方形が多く、切妻屋根が一般的です。

まとめ

ロッキー山脈とアパラチア山脈のログハウスは、どちらも初期のアメリカ史に共通の起源を持ちながらも、それぞれの地域の特徴に合わせて異なる進化を遂げてきました。

アパラチアのログハウスは質素で実用的であり、新大陸アメリカの開拓時代と深く結びついています。一方、ロッキー山脈のログハウスはより大きく、装飾的な見た目であり、西部開拓者の冒険心を象徴しています。

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By | 2024年09月26日

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