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日本のログハウスでよく使われる樹種とその特徴(杉・ヒノキ編)【前編】

2025年07月8日 - 一般

日本の風土と文化に根ざしたログハウスづくりには、国産の木材が大いに活躍しています。日本で育った木は、高温多湿な気候に適応しており、建築資材としての性能も優れています。この記事では、日本のログハウスでよく使われる樹種について、前編・後編に分けてご紹介。前編では「杉(スギ)」と「檜(ヒノキ)」を取り上げます。

Common Wood Species used in Japanese Log Homes – EP1

▶ 杉(スギ)

日本を代表する国産材、軽やかでやさしい表情

スギは、北海道南部から沖縄まで全国に分布している針葉樹で、日本で最も多く植林されている樹種です。特に九州・紀伊半島・北陸などでは、良質な杉材が生産されています。

杉の特徴:

  • 軽量で施工しやすい
    木材の比重が非常に軽く、加工性に優れているため、建築現場での取り回しがしやすい木材です。DIYでのログハウス建築にも適しています。
  • 断熱性と調湿性に優れる
    杉は細胞構造に空気を多く含んでおり、断熱性が高い素材です。また、湿気を吸収・放出する調湿性があり、日本の蒸し暑い夏や乾燥した冬にも対応します。
  • 香りによるリラックス効果
    杉材は、ほのかに甘く爽やかな香りを放ち、室内空間に癒しを与えます。アロマ効果を重視する住宅にも好まれています。
  • 表面は傷つきやすい
    柔らかい材質のため、表面はへこみやすく、キズがつきやすい面もあります。ただし、経年によって味わいが増すため、自然なエイジングを楽しむこともできます。

杉の向いている使い方:

  • ナチュラルで軽やかな雰囲気のログハウス
  • 自然素材を活かした健康住宅
  • 内装材(床・壁・天井)や構造材としての利用

▶ ヒノキ(檜)

日本建築の象徴、耐久性と美しさを兼ね備える木材

ヒノキは、日本の高級木材として古来より重宝されてきました。法隆寺や伊勢神宮といった歴史的建造物にも使用されており、その耐久性は折り紙付きです。

ヒノキの特徴:

  • 優れた耐久性と防虫・防腐性
    ヒノキは、天然の樹脂成分を多く含み、腐朽菌やシロアリへの耐性が高いことで知られています。屋外の過酷な環境下でも、長期間その品質を保ちます。
  • 香りとリラックス効果
    ヒノキの香り成分「ヒノキチオール」には抗菌・リラックス作用があり、精神安定や睡眠の質向上にもつながるとされています。旅館や温泉宿などでもよく使われる所以です。
  • 光沢のある滑らかな木肌
    年輪が緻密で、美しい光沢と滑らかな手触りを持っています。建物全体に高級感を与えることができます。
  • 価格はやや高め
    高品質な分、他の樹種に比べて価格が高くなりがちです。しかし、その分メンテナンスコストを抑えられる点もあります。

ヒノキの向いている使い方:

  • 高級感ある和風・和モダンなログハウス
  • 湿度の高い地域や、長期耐久性を求める建築
  • バスルーム、和室、寝室などリラクゼーション空間

▶ 杉とヒノキの比較表

項目杉(スギ)ヒノキ(檜)
重さ非常に軽いやや重め
加工性高い非常に高い
耐久性中程度(保護処理必要)非常に高い
香り甘くやさしい香り芳香成分が強く持続性あり
見た目やさしい色合いと木目滑らかで光沢のある木肌
価格帯比較的安価高級材で価格が高め

まとめ

杉とヒノキは、いずれも日本が誇る優れたログ材ですが、それぞれに個性と魅力があります。コストパフォーマンスや軽さを重視するなら杉、耐久性や高級感を求めるならヒノキがおすすめです。

後編では、これら以外にログハウスで使われることのあるカラマツ、アカマツ、クリなどの樹種について解説します。国産材の奥深さをさらに掘り下げていきましょう。

公開予定日:2025年7月8日

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By | 2025年07月8日

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