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日本のログハウスでよく使われる樹種とその特徴(カラマツ・アカマツ・クリ編)【後編】

2025年07月15日 - 一般

前編では杉とヒノキを紹介しましたが、日本には他にもログハウスに適した魅力的な樹種が数多く存在します。本記事では、「カラマツ(落葉松)」「アカマツ(赤松)」「クリ(栗)」など、個性的で実用性の高い木材について詳しく見ていきます。

Common Wood Species used in Japanese Log Homes – EP2

▶ カラマツ(落葉松)

寒冷地に強く、耐久性に優れるログ材

カラマツは、北海道から中部山岳地帯にかけて植林されている針葉樹で、特に長野県や北海道産のものが有名です。寒冷地での生育に適しており、北国のログハウスによく使われます。

カラマツの特徴:

  • 強度・耐水性に優れる
    カラマツは他の針葉樹に比べて硬く、耐水性・耐朽性が高いため、屋外使用にも適しています。構造材として非常に信頼できます。
  • ヤニが多い
    樹脂成分が豊富なため、乾燥工程をしっかり行わないとヤニの染み出しが起こりやすい点に注意が必要です。
  • 木目が荒々しく力強い
    はっきりとした年輪と、赤褐色の色合いが、ログハウスに重厚な雰囲気を与えます。

カラマツの向いている使い方:

  • 耐久性重視の寒冷地ログハウス
  • 屋根材・外壁・土台部分など
  • ナチュラルかつ力強い雰囲気の演出

▶ アカマツ(赤松)

木目の美しさと芳香が魅力の伝統材

アカマツは、マツ科の中でも代表的な樹種で、古くから建築・家具材として使われてきました。東北から関西にかけて多く自生しています。

アカマツの特徴:

  • 芳香性が高く、防虫効果も
    アカマツの香りにはリラックス効果だけでなく、防虫効果もあるとされており、快適な居住環境を作ります。
  • やや硬めでしっかりとした材質
    スギやヒノキに比べて硬く、構造材としても安心。木目も美しく、経年で飴色に変化していく様子も楽しめます。
  • 乾燥や加工に注意
    樹脂分が多く、適切に乾燥させないと変形やヤニの問題が発生します。信頼できる製材所選びが重要です。

アカマツの向いている使い方:

  • 和風・民家風のログハウス
  • フローリング材や梁・柱など見せる構造部材
  • 香りや経年変化を楽しむ空間

▶ クリ(栗)

堅牢さと重厚感を兼ね備えた広葉樹材

クリは、日本の広葉樹の中で最も耐水・耐久性が高い樹種のひとつで、古くは水車や線路の枕木にも使われていたほどです。

クリの特徴:

  • 非常に硬く耐朽性が高い
    シロアリや腐朽菌に強く、屋外にさらされるような箇所にも適しています。土台材として重宝されます。
  • 重厚で高級感ある仕上がり
    明るい黄褐色で、経年により深みを増していく見た目は、ログハウスにクラシカルな風合いを与えます。
  • 加工には技術が必要
    非常に硬いため、加工には熟練した技術が必要です。コストもやや高めになります。

クリの向いている使い方:

  • 土台や柱などの構造部材
  • 高級感と重厚さを求めるデザイン
  • 自然素材を活かしたログの個性づくり

▶ 樹種比較表(カラマツ・アカマツ・クリ)

項目カラマツアカマツクリ
木の種類針葉樹針葉樹広葉樹
耐久性高い中程度非常に高い
加工性中程度(ヤニあり)中程度低い(硬い)
香り少ない芳香性あり少なめ
木目・見た目荒く力強い緻密で美しい重厚で落ち着いた色合い

まとめ

カラマツ、アカマツ、クリは、杉やヒノキとは異なる個性を持ったログ材です。寒冷地や耐久性を重視するならカラマツ、香りや木目を楽しみたいならアカマツ、長寿命で重厚感ある住宅を求めるならクリが適しています。

日本の木材は地域によって特徴が異なり、選び方次第でログハウスの表情ががらりと変わります。用途・目的・好みに合わせて、最適な樹種を選びましょう。

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By | 2025年07月15日

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