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ログハウスの起源とダブテイルログハウスの歴史 |日本ダブテイル協会

2023年11月14日 - ニュース

ログハウスの起源は、紀元前3500年の銅器時代では無かった?

ログハウス(英名:Log Cabins)の起源は、銅器時代(紀元前約3,500年)の北ヨーロッパのスカンディナヴィアと東ヨーロッパで始まったと考えられていますが、歴史があまりにも古くそのルーツは定かとはなっていません。

紀元前20~30年に建築家として活動していたローマ人のウィトルウィウスが著作した現存する最古の建築理論書「De architectura(建築十書)」の中で、「ポントス(現在のトルコ北東部)の住居は丸太のログ材を水平に積み重ね、ログ材の隙間をチップと泥で埋められて建てられていた」と記されている事を踏まえると、その時代には既にログハウス建築の技術が確立されていたことが伺えます。

世界最古の木造構造物は、約47万年前のホモ・エレクトス時代と判明

2019年にザンビア共和国カランボ滝近くの河岸で発掘された木造の構造物は、2本の丸太が組まれて構成されており、上下の丸太を直角に合わせて固定するために、意図的に石器による切り込み(ノッチ)がされていたとして、2023年9月20日発行の学術誌「Nature」にて発表されました。

光ルミネッセンス年代測定によれば、この木造構造物は、約47万6,000年前のものであると推定されました。

つまり、銅器時代より遥か昔に、ログハウスのような小屋が建築されていた可能性が高いことが分かりました。

ダブテイルログハウスの歴史

ダブテイルログハウスをアメリカに持ち込んだのは、1638年にデラウェア川沿いの両岸に設立されたスウェーデンの植民地「ニュースウェーデン (New Sweden)」に、開拓者として故郷を追放されたフォレスト・フィン人(Forest Finns)だとされています。

1638年に建てられたアメリカ最古のダブテイルログハウス(旧ニュースウェーデン跡)

スウェーデンによって支配されていたフィンランドの森の民族「フォレスト・フィン人」は、森林豊かな地域で生活をしていたため、林業が盛んで様々な形式のログハウス造りに精通していました。ログ材には、丸太と削り出した角ログの両方を使い、ログ同士が十字で交差するノッチ(上下のログを固定させるための切れ込み)部分に、数種類のノッチを使っていました。

フォレスト・フィン人のログ建築は、粗雑な丸太にラウンドノッチを施してログ壁を形成し、煙を排出させる為の開口部を設けた切妻屋根の丸太小屋から始まりました。そこから丸太の4面を削って作った角ログに、ダブルノッチ(後のダブテイルノッチ)を施し、より頑丈で洗練されたログ壁を形成した角ログハウスへと進化しました。

ニュースウェーデンにはフォレスト・フィン人やドイツ人だけではなく、スコットランド人、アイルランド人、スコットランド系アイリッシュ人も多く入植していました。しかし、彼らにはログ材を使っての住宅建築の技術が乏しく、また自国から帆船で建材を運ぶこともほぼ不可能だったため、すぐにフォレスト・フィン人の建築技術を取り入れました。

ニュースウェーデンは、オランダの植民地「ニューネーデルラント」に吸収された後、最終的にイギリスに占領されました。しかし、フォレスト・フィン人のログハウス建築の技術は受け継がれ、様々な改良と他の伝統建築の融合(ドイツ、スカンジナビア、スコットランド系アイルランド)を経て、アパラチアン山脈周辺へと広まっていきました。

森の奥深くに住んでいたフォレスト・フィン人が、新大陸アメリカにログハウス建築の技術を持ち込み、様々な改良と伝統的融合を経て完成したのが、現在のダブテイルログハウスだと言われており、これらを総称して「アパラチアンログハウス(The Appalachian Log Cabin)」と呼ばれるようになりました。

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By | 2023年11月14日

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